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2016年10月03日

刃物紀行ー陶芸家 武内晴次郎と海人包丁ー

沖貴重な包丁を拝見した。琉球政府時代に民芸運動の一員として来琉した岡山県の陶芸家武内晴次郎氏(1921~1979)が当時現地で求めた「ウミチュホーチャー:海人包丁」が息子真木氏(堤窯2代目)が父の遺品として大切に保存されていた。大阪の一二三民芸店の川見直道氏を介して拝見する事が出来ました。
縄全長340mm・刃渡り215mm・抉り4段仕上げ柄118m・柄材はマツ、ウレタン塗布仕上げ・単剛による両刃造り鋼種は不明
 柄及び刃部の仕上げは丁寧に仕上げられ鍛造によるハンマーの痕跡が残らないほど研磨されている。砥石痕が縦に筋状に見られる事から回転砥石で仕上げられた事が推察される。研磨後、刃先には使用によって生じる使用痕が認められない。
 沖縄の鍛冶屋刃物には珍しく屋号らしき刻印が裏側面に押されている。その下に穴があけられいるのは他の海人包丁にも見られる。穴の用途はおぼろげながら釣り針を曲げる穴との事。包丁の形は、柄は滑り止めに四段の抉りを刻み、刃部の先端が鋭利になり、サバキに特化した造りに成っている。海人(ウミンチュ)らが漁労によって生み出した沖縄の貴重な文化財である。

写真1:海人包丁(表)
刃物紀行ー陶芸家 武内晴次郎と海人包丁ー


写真1:海人包丁(裏)
刃物紀行ー陶芸家 武内晴次郎と海人包丁ー


写真1:海人包丁 裏側口金近くに2、3mmの孔と屋号らしき刻印があり沖縄の刃物にはめづらし
刃物紀行ー陶芸家 武内晴次郎と海人包丁ー



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Posted by カニマン at 12:26│Comments(4)
この記事へのコメント
 こんにちは。
本日商品確かに受領しました。
分厚い鋼 握り心地の良いハンドル部
刀を振るときのバランス感覚。
いずれも良好大変気に入りました、
納品書に於いては鋼がどの車種の板バネに
由来するものかまでで教えていただきました。
 ありがとうございました。
また機会がございましたら その際は
よろしくお願いします。
 熊本は季節外れの暑さで 一度は仕舞い込んだ夏服を引っ張り出してしのいでいます。
Posted by てるぼう at 2016年10月18日 14:25
てるぼう様
 おはようございます。気に入って頂き嬉しく思います。受領の連絡有り難う御座いました。
Posted by カニマンカニマン at 2016年10月22日 05:46
以前、ヒーラー・鎌を制作していただきました大阪の本田です。その節は、ご丁寧な対応ありがとうございました。

お忙しい中恐縮ですが、「手鉾(テイビク)」という農具は今でも使われいるんでしょうか?お手すきの時で結構ですので教えて頂けますでしょうか?

よろしくお願いいたします。
Posted by 本田 at 2016年11月14日 20:56
本田様への返事
 手鉾(テイビク)は現在、沖縄で使用されていないと思います。需要もなく(?)金物屋では見かけません。
Posted by カニマンカニマン at 2016年11月19日 05:28
 
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