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2017年05月14日

板バネ刃物

写真:①板バネ荒打ちした包丁・ナイフ 
板バネ刃物


写真:②切断した板バネ 刃物に打ち延ばす 
板バネ刃物


写真:③各車種の板バネ鋼
板バネ刃物


58号線自動車のバネ鋼(SUP材) には、コイルバネと板バネがある。コイルバネ鋼は円形を切断して延ばして使うには不便さがあり、種類も少ないのであまり利用されない。板バネ鋼は、多くの車種に使われているので種類も多く手に入りやすい。そのため、板バネが良く利用されている。板バネ鋼は、呼び名は板バネであるが用途が限定されたものではなく刃物鋼や農具としても優れた鋼材となる。沖縄や東南アジアでは多く使われている。
沖板バネの鍛造は、製造年代や車種によって性質が異なり一様ではない。火作り鍛造の過程で一定の温度で焼がはいり割れたりする鋼もある。また、焼き鈍し後、鋼が粘土のように軟化してよく伸びる鋼もある。グラインダーで荒削りの過程では、炭素鋼と比較して磨耗性に優れているのですり減りが少なく削りに時間がかかる。
縄その後の焼入れは、慎重を要する。バネ鋼(SUP材)の焼き入れ温度は、840度が基本とされている『鉄鋼材料選択のポイント』日本規格協会大和久重雄著。これはあくまでもバネとしての焼入れである。刃物として、「折れず曲がらず粘りがあり良く切れる」刃物に打ち直すには鍛冶屋の創意工夫があると云われており企業秘密とされている。



Posted by カニマン at 10:23│Comments(0)
 
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