板バネ「エイボウ(槍棒)」

カニマン

2014年10月03日 12:44

沖縄の槍で今に伝わる狩の道具であり祭りの祭具でもある。グスク等の遺跡から出土する事から武器として用いられたと思われ500年以上前から姿を変えず沖縄で造られてきた。沖縄本島では「エイボウ」八重山では「ブク:大意は矛」と呼ばれる。
槍の刃先は袋(パイプ状)に棒の先端を差込む方法で弥生、古墳、奈良時代の槍の作りと類似し「ふくろ槍」と呼ばれる古いつくりである。
犬に追われた猪、また落し穴に落ちた猪を突いてしとめる狩の道具として鉄砲が普及するまで盛んに山原、八重山で使われた。祭で披露される棒術では棒の先にふくろ槍を装着し二人組で戦いの様子を演舞をする姿はグスク時代の接近戦を想像させる。
沖縄の祭の棒術に欠かせない「エイボウ(槍棒)」2トン車の厚い板バネ切断(700グラム)の材料から打ち延ばし焼入れまで木炭、コークス合わせて15キロほど燃焼させほぼ3日を要し完成。

板バネから作られた槍


 
国頭村道の駅展示の「エイボウ(槍棒)」



写真左:八重山カンドウ原遺跡出土「近世琉球王国時代使用の矛」県博展示
写真右:那覇市ナカンダカリヤマ古墓群出土「近世琉球王国時代使用の矛」県博展示