てぃーだブログ › カニマン鍛冶工房日記

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2018年07月12日

ポーターキャブ板バネで刃物づくり

沖戦後、沖縄では板バネ(スプリング)で造られた刃物が重宝がられた。台湾や東南アジアでは刃物鋼に板バネが今でも盛んに利用されている。日本でも使われていたようであるが、日立製鉄所の安来鋼(黄紙・白紙・青紙)が普及し日本の鍛冶屋が使わなくなった。
縄ポーターキャブ(マツダ軽トラ1969~1989年製造)の板バネで山刀(ヤマナジ)を製作する。板バネは5枚組になり、巾4,5cm、厚さ6mmと巾の狭い分厚い。火花はSUPの特徴を示し一本筋に走り先端で火花を散らす。今回は、二枚目のバネで作る。

写真1 マツダポーターキャブ


写真2 ポーターキャブ板バネ 後輪用対


写真3 5枚組ベネ


写真4 2枚目バネで鉈に打ち返る




  


Posted by カニマン at 14:12Comments(4)

2018年07月02日

刃物紀行ー福岡市立博物館展示「鉄刀」-

沖福岡市立博物館展示「鉄刀」-
福岡市立博物館常設展に中世遺跡出土の「鉄刀」が展示されているのに目を引く・・・南島型の刃物によく似ているからです。地中に埋もれていた事もありかなり錆が進み原型は留めていない。出土遺跡が中世(12~16世紀頃)である事からかなり古い刃物で用途は不明。型が琉球諸島の島々で作られていた鉈・包丁・シィーグ(小刀)に良く似ている。

写真:1 福岡市立博物館展示「鉄刀」 斜め横から撮影 全長約50cm 刃渡り約36cm 茎子約14㌢ 


写真:2 スケッチ(復元図) 先端の切り口が幅広く、付け根は厚く、茎子は長く取られ、柄に深く差し込んで持ったときのバランスが良い。




  


Posted by カニマン at 17:51Comments(0)

2018年06月04日

三徳包丁・チーズナイフ

三徳包丁・チーズナイフ
沖掲載の三徳包丁包丁2本は、通称「博多包丁(いなさ包丁)」を参考にして製作した包丁で長崎県にそのルーツがあるらしい。野菜、肉、魚の捌きが出来て優れもの三徳包丁である。先端が鋭く色々な使い方が出来る。チーズナイフは、手になじむ大きさで何時も身近に置き野菜の皮むきにも良い



写真1:博多包丁(いなさ包丁) 鋼材SKS材 刃渡り165cm・重さ188g・最大刃巾47mm 柄材アリク皮付き 塗布無し


写真2:博多包丁(いなさ包丁) 鋼材SKS材 刃渡り165cm・重さ190g・最大刃巾45mm 柄材アリク皮付き 塗布透明ウレタン


写真3:チーズナイフ 鋼材ステン刃物鋼 刃渡り84mm・重さ84g・最大刃巾21mm 柄材エゾ鹿角 塗布透明ウレタン




  


Posted by カニマン at 10:55Comments(0)

2018年06月03日

刃物紀行ーバーキ鎌ー

バーキ鎌(バーキイナダ:大意、竹かご製作鎌)
沖縄本島名護市東江にあった鍛冶屋で40年程前に製作されたバーキイナダである。刃の鋼材は、車のスプリングを打ち延ばして作られた物で、刃部も柄も普通の鎌より短い。硬い竹を切る為、厚く丈夫に作られている。今もバーキ作りに使われている現役の鎌である。



沖カニマン刃物販売


ぎのざ道の駅売店でカニマン刃物販売・・・店内奥の棚に小さなスペースに置かれています。どうぞ探されてご覧になって下さい。
こだわりの刃物は、工房で、注文、購入下さい。
縄カニマン鍛冶工房案内
住所:〒904-1301沖縄県国頭郡宜野座村字松田2629-10
電話:098-968-8459(知名定順 ちな ていじゅん)



  


Posted by カニマン at 15:13Comments(0)

2018年05月16日

サバキナイフ

沖産業系鋼材で刃物づくり
削岩機用刃材部品(テーバーピット)でサバキナイフを鍛造してみた。鋼材名がわからないので、手探りで鉄の性質を探り鍛造し熱処理を施し刃物に打ち変えた。鋼名:不明 重さ:200グラム 長さ:約32cm
写真1 鋼材概観


写真2 サバキナイフに鍛造


写真3 刃部を両刃に削り出す


写真4 焼き入れ前に泥で包む


写真5 焼入れが終わり刃を砥ぎ出し焼き柄を装着する・・・意外と切れる。




  


Posted by カニマン at 21:18Comments(5)

2018年04月15日

海包丁

沖海(人)包丁でガーラ(大きさ約40センチ)をさばく
海包丁:鋼材SK材・柄アリク材抉り焼き仕上げ・全長305ミリ・刃渡り180ミリ両刃仕上げ・重さ186グラム
 
写真1:包丁概観 海(人)包丁は、沖縄で生れたと考えられる包丁で、かつお節工場や海人(ウミンチュ)が漁労で使われていた。本部町立博物館で当時のものが見る事が出来る。一本で魚を三枚おろし、さしみ、骨切りまですべてさばく事が出来る。


写真2:三枚に切り分ける。両刃仕上げで右利き、左利きで使用できる。


写真3:三枚におろしさしみに切る


写真4:硬いガーラの骨を切り分ける




  


Posted by カニマン at 14:47Comments(0)

2018年04月01日

カニマン刃物とご対面

ペテーナイフ 鋼:ステン刃物鋼(V金10号) 柄:山原のカシ木ウレタン塗布 口金:銅製


ニコニコ数年前に製作したやや大きめのペテーナイフが毎日使われている台所で3年ぶりに対面した。製作時からその後の刃物の使用状況による変化を知る事は、刃物作りに欠かせない。ペテーナイフの状況は以下の通りでした。
①毎日水場の台所で使われているので柄は水分を吸ってウレタン塗料は部分的に剥がれていた。
②多く使用される先端部の刃部の磨り減りがあった。
③ステンは錆に強く刃部では錆びていないが、茎子では柄が吸った水分で錆が見られた。
④長い間、刃が砥がれていないので刃先が摩耗していたので、切れ味が落ちていた。
ニコニコ刃物の管理
①刃物は、使用後は出来るだけ刃先を下にして乾燥させる。柄を下向きにすると水分が柄に浸透して茎子の錆を早める。また、柄の腐敗の進行も早める。
②切れ味を持続させ気持ちよく使うには、少なくとも1ヵ月から3ヶ月に一度は、砥ぐ必要がある。砥石は、人工砥石で中粗め800番から1000番程度で研ぐと良いと思います。砥ぐのはそんなに難しくありません。
③刃物鋼は鉄製、ステンレス製が主に使われているが、カニマン鍛冶工房では、注文に応じてステン鋼で作りますが、主に鉄製の刃物づくりが主流です。鉄製刃物の管理も同じです。毎日使われている鉄製刃物の刃部の錆は気にする必要がありません。  


Posted by カニマン at 11:54Comments(1)

2018年02月17日

南島型シマ包丁

沖縄本島南島型のシマ包丁
先端の切り口が幅広く作られ、魚や豚や猪をさばくのに特化包丁である。南西諸島の生活風土から生れた包丁と思われ、山刀に類似するが薄く作られている。現代でも十分通用する包丁である。





   


Posted by カニマン at 17:25Comments(0)

2018年02月10日

山刀一式

沖造り置きの山刀一式(4振り)上から下に紹介


①ばっかい用鉈:鋼:SK材・長さ:58cm・刃渡り:42センチ・重さ:624グラム・・・藪歩き、測量者等が利用
②南島型山刀:鋼:板バネ(スズキジムニー)・長さ:46cm・刃渡り:28センチ・重さ:約600グラム・・・薪割り等に便利
③薄手山刀:鋼:SKS材:長さ49センチ・刃渡り:30センチ・重さ:492グラム・・・鉈、包丁として利用
④南島型山刀:鋼:板バネ(スズキジムニー)・長さ:41センチ・刃渡り:23cm・重さ:546グラム・・・伝統的で平均的な山刀

沖縄本島カニマン鍛冶工房案内
住所:〒904-1301沖縄県国頭郡宜野座村字松田2629-10
電話:098-968-8459(知名定順 ちな ていじゅん)
携帯:080-9853-5081
メール:kanimannkajikoubou@outlook.jp
※国道329号松田信号から北(山手側)に800メートル3ツ目の看板左に50メート
  


Posted by カニマン at 16:15Comments(12)

2018年01月01日

謹賀新年

日の出昨年は「カニマン鍛冶工房日記」お読み下さりありがとう御座いました。どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。



写真:昨年、最後に仕上げたナイフです。古い皮ケースに収まるナイフを製作しました。鋼:安来鋼・柄:アリク材に塗料塗布


沖カニマン鍛冶工房案内
〒沖縄県国頭郡宜野座村字松田2629-10
知名定順(ちなていじゅん)
電話:098-968-8459
携帯:080-9853-5081
メール:kanimannkajikoubou@outlook.jp
※国道329号線松田信号北側に右折約800メートル 看板3つ目左50メートル
  


Posted by カニマン at 09:17Comments(1)

2017年12月01日

切断刀でナイフ作り





沖縄本島切断された日本刀をナイフに打ち直し
美術品刀剣登録をあきらめた日本刀が切断してばら売りにされる。切先を入手してナイフに打ちなおした。炭素鋼は100度以上の高熱にあてられると鈍ってしまい切れなくなる。そのため、再び焼入れを施し刃物として切れる硬さにする必要がある。しかし、切断刀に焼きが入り再び刃物として生き返るとは限らない。焼きが中々入らない切断刀も多い。気温が冷え込んだ頃をみはかり焼入れ行なう予定。
  


Posted by カニマン at 12:08Comments(1)

2017年11月25日

伊是名島で活躍の鎌(中厚両刃)



沖縄本島伊是名島で活躍の鎌(中厚両刃)
伊是名島を訪れた先月、カニマン鍛冶工房で製作された鎌が現場で使われているのを見て感激。鎌は、腰の背中のバンドに差込み携帯・・・懐かしい。ひと昔前は、田舎では男性の腰の背中に、山刀や鎌を差込で持ち歩き作業姿が当たり前のように見られた。
  


Posted by カニマン at 05:24Comments(0)

2017年11月24日

刃がね鋼(接合材)

沖縄本島刃がね鋼(接合材)の購入


小さな鍛冶屋では、刃がね鋼の購入は難しい。鋼材は問屋を通して購入するが、問屋は小売を渋り1トン単位で売るのが一般である。そのため、鍛冶屋が各地で活躍していた時代は共同で購入していたようである。小売をしてくれる問屋を紹介していただき刃がね鋼100キロを購入する事が出来た。カニマン鍛冶工房で使用する刃物鋼に日立製鉄所製造安来はがね白紙2号が加わった。
  


Posted by カニマン at 07:08Comments(0)

2017年10月30日

カニマン鍛冶工房案内

写真:焼き入れ前のふくろ鉈(安来鋼・長さ25cm・刃渡り22cm・重さ450g)


写真:工房入り口の様子


沖縄本島琉球列島に季節風のニシカジ(北風)が吹くはじめ、季節は夏から冬に変わろうとしています。季節の変化に伴い鍛冶作業も冬に向けて作業が変わろうとしています。特に気温の低下により焼き入れ温度が夏基準から冬基準に変えていきます。それは、それぞれの鍛冶屋によって創意工夫によって 「硬くて粘りがあり良く切れる刃物づくり」 が行なわれています。
沖縄本島カニマン鍛冶工房案内
住所:〒904-1301沖縄県国頭郡宜野座村字松田2629-10
電話:098-968-8459(知名定順 ちな ていじゅん)
メール:kanimannkajikoubou@outlook.jp
※国道329号松田信号から北(山手側)に800メートル3ツ目の看板左に50メートル

    


Posted by カニマン at 18:13Comments(2)

2017年09月22日

刃物紀行ー久米島博物館の短刀(鎧通し)ー

久米島博物所蔵の短刀(鎧通し)
沖沖縄では珍しく短刀(鎧通し)がある。久米島旧仲里村儀間部落出身の方が戦前購入し孫が博物館に寄託した物で概観し古そうである。
◆短刀(鎧通し)概況
長さ282ミリ・刃渡り181ミリ・巾19ミリ・厚さ5mm・柄の長さ101ミリ、ハマキと鞘、目くぎが欠損する。柄には鮫皮が巻かれているが柄の下が剥がれている。刃部裏表には、凡字らしきのが彫られていたと思われるが、研ぎにより磨り減り一部分に残る。柄の前後に二枚板を合わせ絞めるために糸が巻かれている。
◆短刀(鎧通し)用途
日本本土では短刀(鎧通し)の用途は、名称のとおり鎧の隙間から刺す武器である。沖縄では別の用途に用いられていた。久米島の洞穴風葬墓の発掘調査で短刀(鎧通し)らしき刃物の出土がある事からシーグ(巣具)として用いていた可能性がある。持ち主であった方刃は、旧仲里間切(村役所)の役人であったことから短刀(鎧通し)を事務の道具として用いていたのかも知れない。
縄写真
写真①:刃部裏表に残る凡字らしき彫り


写真②:右側面 刃先は下向き


写真③:左側面 刃先は下向き


写真④:柄拡大 サメ皮巻きと柄板を閉める糸巻きが前後に見られる




  


Posted by カニマン at 08:54Comments(0)

2017年09月08日

ペェティーナイフ・出刃包丁・シマ包丁

沖縄本島カニマン刃物一式
◆ペェティーナイフ (鋼:V金10号、刃渡り13cm、柄:アリク、ステンオイル塗布)


◆出刃包丁(鋼:板バネ、右用片刃、刃渡り16cm、柄:アリク、ステンオイル塗布)


◆シマ包丁(鋼:板バネ、刃渡り21cm、柄:アリク、ステンオイル塗布)





  


Posted by カニマン at 08:59Comments(0)

2017年07月29日

工作用ナイフ4



沖縄本島小型工作用ナイフ
刃物鋼材として開発された鋼材を使うと刃物は鋭利な刃が付き良く切れる。工具用の鋼材や板バネ材も刃物に転用するとそれなりの刃物が仕上がる。工作用ナイフは、同じ刃物を長らく使うので刃物鋼としての特徴が見えてきます。けっして専用刃物鋼に劣る事はありません。
 
写真1:長さ138ミリ・刃渡り105ミリ・刃巾24ミリ・厚さ3ミリ・」剛材ヤスリ打ち直両刃


写真2:長さ223ミリ・刃渡り906ミリ・刃巾28ミリ・厚さ3ミリ・」剛材板バネ両刃

 
写真3:長さ214ミリ・刃渡り89ミリ・刃巾24ミリ・厚さ5ミリ・」剛材ベアリング打ち直片刃


写真4:長さ223ミリ・刃渡り71ミリ・刃巾22ミリ・厚さ4ミリ・」剛材ヤスリ打ち直片刃


写真5:長さ188ミリ・刃渡り68ミリ・刃巾22ミリ・厚さ4ミリ・」剛材ヤスリ打ち直片刃


写真6:長さ188ミリ・刃渡り50ミリ・刃巾14ミリ・厚さ2.5ミリ・」剛材ヤスリ打ち直片刃




  


Posted by カニマン at 08:00Comments(3)

2017年07月27日

工作用ナイフ3

沖縄本島事例3:押し切りナイフ 
刃物を真上、斜めから押し込んで削るのに便利な片刃刃物3点。



写真1 薄手片刃押し切りナイフ(鋼ヤスリ打ち直し・長さ187mm・刃渡り59mm・刃巾15mm・厚さ2mm)




写真2 片刃押し切りナイフ(鋼板バネ・長さ205mm・刃渡り24mm・刃巾24mm)



写真3 片刃押し切りナイフ(鋼SK材・長さ180mm・刃渡り60mm・刃巾28mm)


  


Posted by カニマン at 06:01Comments(0)

2017年07月22日

工作用ナイフ 2



沖事例2:定型化しているナイフ
「切り出しナイフ」と名前がつき型が決まり金物屋で販売され広く普及しているナイフ。古くからあり色々な場で作業に使われている。削り出し刃物は、片刃造りが多い。

写真1:片刃切り出しナイフ表 木柄のないナイフに柄を差し込んで使用する。(鋼ヤスキ鋼、市販品 長さ230ミリ・刃渡り90mm・刃巾22m 


写真2:片刃切り出しナイフ裏 裏面は、研ぎやすさと切れ味を増すためにくぼめられて鋭い刃が付く。切り先で細かい工作が出来るが先端が折れやすい。


写真3:片刃切り出しナイフ表(鋼ステン刃物鋼V金10号・長さ240mm・刃渡り92mm・刃巾22mm)刃部の形は「ひごのかみ」に近く先端の造りが斜め上から切り出して作る。使いやすい便利な刃物で戦前から有り、西洋ナイフにも多く見られる型である。


写真4:片刃切り出しナイフ表 柄から先端に向かい巾が狭まり先端が尖る小振りのナイフ。(鋼バイト鋼打ち直し・長さ240mm・刃渡り92mm・刃巾22mm)


  


Posted by カニマン at 07:05Comments(0)

2017年07月20日

工作用ナイフ紹介1

沖縄本島工作用ナイフには用途に応じて定型化した型がある。また、個人の好みに応じた形もある。それぞれ紹介する。

沖事例1:厚手押し切りナイフ


写真1:厚手押し切り片刃ナイフ表(鋼ベアリング打ち直し) 長さ170ミリ・刃巾25ミリ・刃渡り80ミリ


写真2:裏、玉が転がる溝が残る。切れ味・・・鋭利さより粘り切れ、枯れた竹は十分に削れる。


写真3:ふくろ柄厚手押し切り片刃ナイフ表(鋼SKS合金炭素工具鋼) 長さ182ミリ・刃巾32ミリ・刃渡り72ミリ




  


Posted by カニマン at 19:27Comments(0)
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